日本でのCLIL の進展 — 2013 (第1版)

本冊子は、日本でのCLIL の発展を期して、2012 年12月に上智大学で行わ
れたCLIL 懇談会に出席した人を中心に、CLIL の実践をまとめたものである。
この懇談会をもとに、『英語教育6月号』(2013)(大修館書店)に特集を組んだ。
しかし、紙面の都合もあり、CLIL の実態を詳細に記述することはできなかった。
ここにはそこには書かれていない内容を盛り込んである。
日本でCLIL が少しずつ注目されるにつれて、「CLIL とは何か?」という声が
さらに聞かれるようになってきている。そのような質問は発祥の地であるヨー
ロッパでもいまだにあり、CLIL に対して懐疑的な見方もある。理論的な枠組み
は多少明確ではないが、事実CLIL はヨーロッパではすっかり定着したと言って
よいだろう。実態は様々であるが、CLIL の一つ魅力はその点にある。日本では、
これまで同様の指導法、指導形態は取られてきた。バイリンガル教育、イマー
ジョン教育、内容重視の指導などがそうである。ヨーロッパでCLIL を展開して
いる指導者によれば、そのような指導もCLIL の一部となる。では、「CLIL とは
何か?」とさらに尋ねられるのである。
本冊子は、そのような状況に対して事例を示すことで回答したいと意図した。
理論をこねくり回しても実践のない教育は意味がない。また、実践だけであっ
っても柱のない教育はやはり不十分である。現時点でのCLIL 教育(CLIL
pedagogy)を理解してもらい、また、課題を示すことで、今後の日本における
CLIL の発展を期待したい。CLIL は、ヨーロッパでも起きているように言語学
習と科目学習に新しい視点を与え、学習を活性化する要素があり、これまでの
コミュニケーションを意識した言語学習の観点を大きく変える可能性がある。
また、科目の学習に対しても言語や思考とどう関連させるかという観点を示し
ている。教室という「学び」というコミュニティに対する考え方も変えつつあ
る。その意味から、CLIL は内容と言語を統合する指導法(methodology)の可能
性を追求している。本冊子はその一つの重要な資料となると考える。
なお、ここに示した各学校現場の事例は2012 年度実施の内容となっているの
で、所属も当時のままにしてあることをことわっておく。

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